AIUEO 第26回サマーセミナー報告書

星野百合子

2016年7月18日の海の日に、あいち国際理解教育勉強会AIUEOのメンバーで「第26回サマーセミナー」に参加してきました。今回は、委員会に登録して以来、初めて外部で国際理解教育を実践する企画であったため、どのような授業を展開するか、全員で話し合いました。JICAボランティアらしく、自ら自分の持ち味を活かせる内容であり、協力することでそれが更に深まり豊かな学びに繋がるような企画にしたいと、知恵を出し合いました。その結果、青年海外協力隊で途上国の学校で活動していた隊員が、任地の学校を紹介することで、各国の「学校教育」の良い点を学び合うことができ、それを参加者が「教育」という視線から考察できるものにしたいという意見でまとまりました。

「くらべてみよう 日本と世界 ~協力隊が見た学校編~」というタイトルの講座を企画しました。具体的には、青年海外協力隊員としてフィリピン・タイ・ブラジルで活動していた3人の先生の活動報告をし、途上国の学校の様子や子どもたちの生活を伝えます。その後、任国にあって日本の学校に無い学校行事や、学校の給食などについてパネルトークし、最後に質問の時間を設け、参加者と共に学校教育について話し合う時間を設けるという内容で行いました。

当日は全部で13名のOBが参加し、各国の民族衣装で参加者を迎えました。また、教室には海外の教科書や本、雑貨や楽器など教材コーナーを設置し、手で触って体験できるようにしました。さらに、任地でよく食べていたお菓子を手作りし、参加者に配布しました。今回発表した3国に共通するものとして、放課にお菓子を食べる習慣があったからです。任地の雰囲気を五感で感じ生徒の気持ちになって聞いてもらいたいと思ったからです。このお菓子の誘惑につられて講座に参加した学生もおり、初めての異文化体験に強い衝撃を受けていました。

参加者は13名で高校生から年配の方、男性も女性も参加して下さいました。皆さんワクワク興味を持った様子で聞いてくださり、とても伝えやすかったです。普段の任地紹介に一味工夫を凝らして、フィリピンの子供達の生活が分かる写真を多く準備しました。また、時にはクイズ形式にし、会場の全員で楽しめるように工夫しました。

発表者以外のOB会メンバーも、朝から炎天下の中でチラシ配りをして下さったり、教室の飾り付けを自ら工夫を凝らして賑やかに分かりやすく展示して下さったり、お菓子を作ってきて下さったり、当日は用事があって出られないけれどチラシを作成して下さったりしました。

青年海外協力隊のOBらしい力強さと、チームワークが光る内容でした。


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データ

  1. 実施日: 2016年7月18日(月・祝) 13:10~14:30
  2. 実施場所: 東海学園高校 2号館 105号室
  3. 目的: JICAボランティアの活動を生徒・学生や一般の方に広く知ってもらうこと
  4. 具体的な活動内容: 帰国したJICAボランティアによる活動報告、パネルトーク、質疑応答
  5. 成果: 青年海外協力隊のOB 13名が一致団結し、参加者の方々と共に学ぶ場を築き上げることができました。朝のチラシ配りで「青年海外協力隊って知っていますか?」と尋ねると予想通り「井戸掘る人ね。」と言われましたが、ワークショップ後には、「青年海外協力隊には色々な職種があって、力で解決できない地球課題に向き合ってるんだと感じました。」などという感想を頂きました。
     フィリピン、タイ、ブラジルの学校生活の紹介では、3ヶ国の国民性を交え、それぞれの国の良さを互いに引き出すことができ、良いディスカッションになりました。協力隊での任期が終わっても、地球課題と向き合い協力できる素晴らしい仲間に感謝します。そして、参加者の中から将来、青年海外協力隊員になる人が出てきたら幸いです。
  6. OB会の参加者: 13名
    加藤亜紀子、芳賀都恵、坂柳言衣、星野百合子、木下優子、住友夏代、岡本弘子、蒲美幸、掘紘実、石田純哉、石田くみ子、谷村祐樹、稲垣佳成
  7. 活動の対象者・参集者: 13名
  8. 特記事項: 会場でブラジルの菓子「ブリガデイロ」を配布しました。