JICA国際協力中学生エッセイコンテスト

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JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2010(中学生の部)                    前年 翌年

エッセイコンテスト2010 事業報告
報告者(実行委員長):伊藤和枝

1.JICAエッセイコンテスト

JICAが毎年夏に、全国の中学生・高校生を対象に、開発途上国の現状や日本との関係について理解を深め、国際社会の中で日本、そして自分たち一人ひとりがどのように行動すべきかを「考えるきっかけ」を提供する事業として実施している。中学生の部は今年で15回目。
今年のテーマは『行動〜地球の仲間のために、私たちができること』。

2.各都道府県OB会(協力協会)による一次審査

このJICAエッセイコンテストの「中学生の部」の一次審査を任されるのが、各都道府県の青年海外協力隊OB会。一次審査を通過したものはブロックごとにJICA国内機関が二次審査を行い、通過したものが最終審査の対象となる。

3.愛知県OB会の審査

(1)発送作業ボランティア
9月29日JICA中部社会還元ルームにて発送作業を行った。発送作業と審査基準の確認のため、ランダムに抽出した作品にABCをつけ、審査基準の統一を図った。
★ボランティアOV(5名)(順不同)
 森下ともみ(12-3・ニジェール・栄養士)、日置紀美子(11-2・タイ・デザイン)
 畠敏枝(16-2・インドネシア・助産師)、吉兼守人(63-3・PNG・陶磁器)
 加藤充之(14-3・パキスタン・木工)


(2)各審査員による自宅審査
発送作業に参加した審査員は各自持ち帰り、作業に参加できない審査員は郵送し、各審査員は自宅にて250〜272の作品を5作品程度に絞込み審査を行った。
★審査員(11名)(順不同)
 森下ともみ(12-3・ニジェール・栄養士)、日置紀美子(11-2・タイ・デザイン)
 畠敏枝(16-2・インドネシア・助産師)、吉兼守人(63-3・PNG・陶磁器)
 増子香奈(  ・ニジェール・   )、コリ都三女(1-3・トンガ・日本語教師)
 黒山真弓(16-3・グアテマラ・看護師/20-9・ペルー・村落開発)
 伊藤和枝(12-2・カンボジア・日本語教師)、他一般3名

(3)審査会
10月20日JICA中部社会還元ルームにて、審査会を行った。3名の審査員が54作品を読み込み、議論をしながら17作品に絞込み、二次審査へ送り出した。
★審査員(3名)
 森下ともみ、コリ都三女、伊藤和枝


(4)応募作文について(審査から分かったこと)
@環境問題(特に地球温暖化や生物多様性に関連した問題)が半分以上だった。審査員によっては80%近くも。テーマが漠然としすぎているためか。
A説明文的なものが多い。調べたものや問題の背景をそのまま説明しているものが大変多く、誰に対して説明しているのか、それによりどんな効果を期待しているのか不明。作文教育の問題か?
B中学生にとって「自分にできると思っている国際協力」順位付け
 1位:エコキャップ運動
 2位:募金・寄付
 3位:不要になった服や文房具・ランドセルの寄付
 4位:食べ残しや水の無駄遣いをしない、有難がる
 (大きく離れて)
 5位:世界の現状を知る/勉強すること
 6位:生きること
 7位:フェアトレード
 8位:自分の経験や想いを伝えること
C「途上国=貧しい=不幸」「日本(自分)=豊か=幸せ/恵まれている」の図式から逸脱するものはほとんどいない

(5)総評(個人的感想)
中学生にできることとしての意見がエコキャップ、寄付が多く、自分にとって「不要なもの」を与えることで満足する偽善的な考えを中学生が持つのはなんとなく悲しい。偽善でなく、本当にすべきこと(できること)を大人もよく考える必要があるのかもしれない。
中学生にとって「国際協力」は関心も低く、身近な問題を捉えにくいのであろう。そのため、情報だけが先走りし、一般的な文章になる。また先生方の指導も一般論までしか教えられないのかもしれない。海外経験を中学生に身近に感じてもらうことが協力隊OVとしてできる社会貢献の一つなので、もっと広がるといい。
途上国のよいところをもっと中学生に知ってほしい。国際理解教育として、負の部分を見せ、寄付や運動を募る方が簡単かもしれないが、国際理解や「世界と自分がつながっている」と感じさせるのはそういうことではないのかと感じるのは、求めすぎなのだろうか。
エッセイコンテストの審査員という形で中学生の心の内を垣間見られるのはとても有難く楽しいものであった。また審査を通して感じる点も多く、とてもためになった。次代を担う中学生にエールを送りたい。

JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2009(中学生の部)                    前年 翌年

JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストとは

JICAが毎年夏に、全国の中学生・高校生を対象に開発途上国の現状や日本との関係について理解を深め、国際社会の中で日本、そして自分たち一人一人がどのように行動すべきかを「考えるきっかけ」を提供する事業として実施しているコンテスト。

2009年の募集テーマ

 『行動 〜地球と私のためにできること〜』

参考:2008年『地球と生きる 〜地球に暮らす一員としてできること、考えること』
    2007年『世界のみんなが幸せになるために〜私ができること、考えること〜』

応募から審査の流れ

JICA事業である中学生・高校生エッセイコンテストをJOCA(青年海外協力協会)が業務委託を受け、広報活動・作品受付・審査運営・表彰式・海外研修を行う。
各都道府県協力協会・OB会はエッセイコンテストのうちの応募勧奨及び「中学生の部」の一次審査の委託を受け、各県内から応募のあった作品の一次審査を行う。

愛知県OB会の担う役割

愛知県では2548作品(2009年)の応募があり、OB/OGの協力のもと、16名の審査員により、25作品(通過倍率1/100)を一次審査通過作品として推薦。
応募総数は、東京都(3904作品)に続く全国2位の愛知県。一次審査通過作品の中には、協力隊OB/OGの体験談を聞いて学んだものもあった。
総合学習の導入により、小・中学校などでの国際理解教育が進む中、OB/OG一人ひとりの発信する力はもとより、OB会の担う役割も大きな期待がされている。

参考:2008年3538作品 (一次通過60作品:通過倍率1/60)
    2007年1828作品 (一次通過30作品:通過倍率1/60)
    2006年1410作品 (一次通過23作品:通過倍率1/60)

審査員から作品についての批評(抜粋)

・応募作品の大半がエコに関する内容で基準テーマ(行動〜地球と私のためにできること〜)に対して視点が偏ってしまったことが残念。
・調べているものをそのまま書いている作品が多い。もう少し自分の視点を持ってほしい。
・公民の授業が生かされている。現代社会の問題を自分のこととしてしっかり把握されているように思う。
・作品の多くが地球環境・貧困・戦争を取り上げていた。関心があることがよく分かった。しかし、なんとなくその解説を読んでいるようで、思いや気づきを感じられなかった。
・「作文を書くにあたり、調べ物をしたことで意識が変わった」という内容のものもあり、それをさらに深く掘り下げた内容(調べたことへの自分の想い、行動に結びつく考えなど)を文章に表現する力を養ってほしい。
・身近なことや心に残っている経験から作品を書くと、読む側の心に残る作品、多くの人に各テーマの意外な気づきにつながるのではと思う。
・環境問題(地球温暖化等)の一般的な知識を記述するのではない方向にするために、各生徒が体験できる場を学校側で設けるとよいと思った。JICA地球ひろばなど。
・テーマの「行動」は地球の問題点について自ら気づかなければできないし、持続しないので、問題点を明確に知る必要がある。学校などで機会を増やしてほしい。

審査員から感想(抜粋)

・テレビや知り合いの人が・・・という生徒が、ほんの小さなきっかけで世界について考え協力したいという気持ちになっているので、学校で全生徒に考える機会(JICAの出前など)を与えるともっとよい世の中を作っていけるのではと思った。
・中学生の生態を垣間見れ、また時に鋭い一文に帰国隊員としてのあり方を問われ、背筋を伸ばされた。まだまだ若い力の中学生にこれからを担う彼らに、十分期待できると思った。貴重な経験に感謝。
・環境問題も大事だが、日本の裕福さ、ありがたさを考えるために不便さ(野外学習など)を体験してみると、世界に対しての考え方が変わり、よい心、身体がつくられていくのではないかと思った。

JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2008(中学生の部)                    前年 翌年

2008年度の審査が終了

今年も中学生エッセイコンテストに愛知県から多数の応募があり、我々OB会が愛知県内の作品を審査しました。

審査員からのコメント

○インターネットや新聞からの情報を得ることは良い事だが、それを知った上で自分がどう思ったか、そして何が出来るかを考えて欲しい。

○情報が溢れている中でその情報をいかに自分におきかえることができるかが、今後の成長につながっていくと思う。他人事と思わず自分や自分の周りの環境や生活と線でつなげていきましょう。

○「もっと知りたい!」という好奇心や、「あれ?おかしいな!」と思った自分自身の気持ちを大切に、周りに惑わされず、丁寧に探求する力、判断する力を身につけて下さい。

○身近な募金や地域の活動に参加しました!という内容が多くあり、等身大の活動の様子に好感を持ちました。中学生という立場は経済的な制約もあり、自分がやりたいと思うことを実行に移すことは難しく、もどかしさを感じるかもしれません。今のもどかしい気持ちを大事にして、社会人になった際は存分に自分の力を発揮、行動してください。楽しみにしています。

<先生に>
○宿題として終わらせず、事前事後学習を通して、更に意識の昂揚を図り、実践に結び付けて欲しい。 

JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2007(中学生の部)                    前年 翌年

「中学生エッセイコンテスト」とは

 中学生が国際社会や国際協力、国際ボランティア活動について、「考えていること」、「感じていること」、「やってみたいこと」を400字原稿用紙3枚以内で自由な視点で主張するエッセイコンテストです。
 2007年度は「世界のみんなが幸せになるために〜私ができること、考えること〜」というのがテーマでした。
 愛知県OB会では、協力隊OB審査員が、愛知県内の中学校から応募された作品を審査しています。2007度は愛知県内の多くの中学校から応募があり、2006度の1410作品を大幅に上回る、1828作品の応募がありました。1次審査では、各県の作品の中から60作品に1作品の割合で優秀な作品が選定されます。次に青年海外協力協会本部で2次審査が行われ、最優秀賞をはじめとする、各賞が決定されます。
 2006年度までの数年間は愛知県から最優秀賞は出ていません。しかし、東京、神奈川に続く、応募総数が全国第3位の愛知県からは、近い将来必ず最優秀作品が選出されることでしょう。

1、募集期間 6月初旬〜9月初旬
2、応募規定
   @中学生であること
   A400字詰め原稿用紙3枚以内(題名、氏名を明記)
3、賞(2007年度の場合)
   最優秀賞(副賞 海外研修旅行)
   ・独立行政法人国際協力機構理事長賞 1名
   ・外務大臣奨励賞 1名
   ・文部科学大臣奨励賞 1名
   優秀賞(4名 副賞 海外研修旅行)
   審査員特別賞(4名 副賞 海外研修旅行)
   国内機関長賞、入選、(社)青年海外協力協会会長賞
   学校賞、学校特別賞、参加賞

Q:どれぐらいの作品数が毎年応募されるのですか。
A:愛知県内の応募点数は、毎年常に1000通を越えます。2007年度は1828作品の応募があり全国でも第3位の応募作品数です。これも、愛知県の国際理解教育が進んでいることによるものと考えられます。また、2007年度は全国で31853作品の応募がありました。

Q:どんなことを書いた作品が多いですか。
A:「テレビ、新聞、雑誌、本、インターネット等で見た情報」をもとに、国際協力に関する自分自身の考えを述べているものが多いです。また、「ボランティアの経験」や、「食べ物を残さない」など、身近な視点に立って国際協力について書かれている作品も多く見られます。

Q:審査の流れはどうなっていますか。
A:愛知県OB会では、毎年、中学校エッセイコンテストの「協力隊OB審査員」を選出します。その後、青年海外協力協会から一次審査員の委託を受けた「協力隊OB審査員」のところへ、9月中旬に愛知県内の作品が送られてきます。そこでは、まず、原稿用紙3枚という規定を満たしているか審査し、その後、教員などで構成された審査委員数名で手分けをし、作品を一つずつ読みながら絞り込んでいきます。60作品の中から1作品の割合で優秀な作品を選出し、選に漏れた作品と共に、優秀な作品を青年海外協力協会本部に送付します。2次審査では、全国から集められた作品の中から各賞が選ばれます。